セーヌ河岸より

フランスで留学生活を送る東大生が、フランス語のおすすめの曲を紹介したり、翻訳したりするブログです。

パリ旅行中のサウンドトラックはこれに決まり!〜フランスらしさ全開のおすすめシャンソンまとめ〜

こんにちは!

今日は、パリのど真ん中に住みフランスの学生生活を謳歌する私が、まだフランスに対する憧れに胸を焦がしていた頃の初心を思い出させてくれるとてもフランスらしいシャンソンの中でも、特に好きなものを厳選して紹介します!

 

 全体として、テンポは違えどパリの街を歩くときに聞けば気分が高まりパリに浸れるような、明るいもしくはしっとりとした曲を選んでいます。

パリ旅行の際にはぜひ、このリストにある曲とともに、五感をフル活用したパリ旅行で思い出を一層深めてください!

 

おすすめ10選

1. Champs Elysées - Joe Dassin 1969

一曲目は、誰もが聞いたことのあるであろうこの曲から。日本でも最も知られているシャンソンといっても過言ではないのではないでしょうか。個人的にも、フランスへの憧れに心を痛めるほど燃やしていた昔からフランスで実際に生活をする今日まで、常に変わらずに良きフランスを私に描いてみせてくれる大好きな曲です。

ちなみに、誰もが聞いたことのある有名なサビの「オー、シャンゼリゼー♩」の「オー」は、驚きや感嘆を表す間投詞の"Oh"ではなく、フランス語の"Aux"であり、英語で言うところの"at/in/on the"を意味し、全体としては"on the Champs-Elysées"、つまり「シャンゼリゼ通りでは」という意味になります。

 

2. La vie en rose - Edith Piaf 1977

二曲目は、言わずと知れたフランス人音楽界の巨匠、Edith Piaf(エディットピアフ)からこの曲「バラ色の人生」です。世界中のアーティストにカバーされており、その中にはLady GagaMadonna、またあのWhat a wonderful world ( 1967 )を歌ったルイアームストロングといった超ビッグネームもずらり。どれだけの名曲であるかが分かります。

 

3. Non, je ne regrette rien - Edith Piaf 1960

三曲目は、同じくEdith Piafから"Non, je ne regrette rien"。「私は何も後悔していない」というタイトル通り、良いことも悪いこともある人生を肯定的に力強く歌い切っており、元気とパワーをもらえる曲です。ピアフ自身この曲を初めてもらったときは、「これはまさに私よ、私の人生よ」と言って感激したそう。

 

4. La foule - Edith Piaf 1957

4曲目もEdith Piafから、"La foule"(群衆)。この曲はもともとアルゼンチンをルーツとするペルーのワルツで、これにフランス人Michel Rivgauche(ミッシェル・リヴゴーシュ)がフランス語の歌詞を付け、ピアフが歌ったもの。互いに揉み合う群衆が眼に浮かぶような激しく軽快なメロディーです。

 

5. L'hymne à l'alour - Edith Piaf 1950

5曲目は今回紹介する中では最後のピアフ。「愛の讃歌」として世界中で親しまれており、この曲の宛名人であったはずの恋人Marcel Cerdan(マルセル・セルダン)を飛行機事故で失った後に収録されています。全世界を敵に回してもそれさえあれば怖いものなどない悲しいほどまでに強い愛を歌ったこの歌が、その愛を与えてくれる相手を失って歌われなければならないとは、なんという世界でしょうか。

 

6. Exercice en forme de Z - Jane Birkin 1978


ここからは少し雰囲気が変わり、ジェーン・バーキンのこの曲はフランス特有のアンニュイな空気感が前面に出ています。私にとってはフランスに来たての頃、寒い雪の日に暖かいカフェで身体を暖めながらぼーっと宙を見つめ、この曲を聞いていた光景がいつでも思い浮かびます。

 

7. Chanson sur ma drôle de vie - Véronique Sanson 1972

この曲は当時としては珍しく、作詞作曲も歌唱も同一人物によってされた名曲。そんな才能豊かなVéronique Sansonは、顔立ちも端正で美しく、まさに当時のフランスの国民的アイドルでした。

 

8. Il n'y a plus d'après - Juliette Gréco 1960


この曲は、観光スポットでもあるSaint-German-des-Prés(サンジェルマン・デ・プレ)地区について歌った歌です。黄金のサンジェルマン・デ・プレと名高かったこの地区も歴史の変遷の中で落ち目を迎え、それが如実に見て取れる街を嘆き偲んで歌われたのがこの歌です。タイトルの意味は、「もう後には何もない」。ぜひサンジェルマン・デ・プレ界隈を歩く際にはこの曲をBGMに街とその歴史を五感で感じとってみてください。

 

9. l'amour - André Claveau 1962

 

「ションソンの王子様」としてそのキャリアの中で1500曲に及ぶシャンソンを歌ってきたアンドレ・クラボーの「愛」。ロマンチックです。

 

10. Mademoiselle de Paris - Jacqueline Françoise 1948

  

「パリのお嬢さん」。聞いていると歌詞の中に「シャンゼリゼ」や「チュイルリー」、「リボリ」といったパリの名所を表す言葉が出てくるので、 パリ観光にはぴったりです!

 

番外編

番外編では、上に紹介したいわゆるシャンソンに比べれば比較的新しいけれども古き良きフランスらしさを十分に残す曲や、伝統的なシャンソンの最近の歌手による現代風カバーを紹介します!

 

1. Champs Elyseés - ZAZ 2014 

  

この記事の一番最初に紹介したChamps Elyséesですが、さすが世界に名を轟かせる名曲というだけあって、数え切れないほどの歌手にカバーされています。その中でも個人的に最も好きなのが、このZAZによるカバーバージョン!いつもこの曲が流れるだけで気分は良くなり、身体が勝手に踊りだします :)

 

2. Paris seras toujours Paris - ZAZ 2014

続けてZAZからもう一曲!この曲もChamps Elyséesと同様、オリジナルのカバーバージョンです。ちなみにオリジナルはなんと第二次大戦前の1939年というとても古い時代に作られた曲で、Maurice Chevlierによるものです。

 

3. Le tour de France en Diligence - Hans Zimmer, Camille 2015



これはサン・テグジュペリの不朽の名作「星の王子様」が2015年、「カンフーパンダ」等で知られるMark Osborne(マーク・オズボーン) 監督によって初のアニメ映画化がされた際のサウンドトラックからです。フランスらしさを存分に持つ曲となっています。

 

4. Suis-moi - Hans Zimmer, Camille 2015

  

この曲も一つ前と同じくアニメ映画「星の王子様」のサウンドトラックから。この映画は英語版とフランス語版があり、またアニメ映画なので言葉が平易で、語学の勉強にはもってこいです!

 

5. Sympathique - Pink Martini 1997

  

「Je ne veux pas travailler(働きたくない)」という印象的なサビでフランスのアンニュイな空気感を歌い切る名曲ですが、実はPink Martiniというアメリカ人歌手グループによって歌われたもの!それでも、大好きな曲です。

 

いかがでしたでしょうか。

ぜひパリ旅行の時はこのリストにある曲をBGMに、全身に残る最高の思い出を作ってください!